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ご案内

理事長メッセージ

理事長就任に当たってのご挨拶

理事長

日本平滑筋学会は平滑筋筋電図研究会として1959年に第一回目の総会が開催され、2年後には日本平滑筋学会と改称して現在に至り、2019年で60周年を迎えました。臓器間、あるいは基礎と臨床間の垣根を乗り越え、平滑筋をキーワードとして研究者が集うユニークな学会で日本医学会の94番目の分科会として認定されております。他に競合する学会のないことが有利に働いたとは思われますが、先達の努力なしには日本医学会の分科会にはなり得ませんでした。この度、歴史と伝統のある平滑筋学会の理事長を拝命しましたことは誠に光栄に存じますし、同時に責任の重さに身が引き締まる思いがいたします。


私は、1993年3月に広島大学医学部を卒業の後、広島大学病院及び関連施設で臨床医として研鑽を積んで参りました。その後、1998年4月より広島大学に戻り、1999年4月より広島大学大学院医学系研究科内科系専攻に進学し、春間 賢先生(本学会の6代目理事長、現、川崎医科大学特任教授)のもと各種消化管疾患の病態研究を開始致し、現在まで約30年近く平滑筋研究に関わってきました。その後,川崎医科大学へ異動し、平成21年4月より米国Mayo Clinic, Clinical Enteric Neuroscience Translational and Epidemiological Research (CENTER)に留学し,Michael Camilleri教授のもと、神経消化器病学の基礎と臨床について研究致しました。近年、わが国の消化器疾患の疾患構造には変化が生じていると言われております。かつて多かった消化性潰瘍などの器質的疾患は少しずつ減少してきており、消化管アレルギーを含む機能性消化管疾患の割合が高くなっています。近年、この様な背景のもと腸内細菌やアレルギー、各種免疫機構を介した広義の消化器病態研究が活発化している様に感じます。これらの病態生理に平滑筋機能は直接的あるいは間接的に深く関わっており、基礎と臨床のトランスレーショナルな研究による平滑筋関連研究は、今後の科学の進歩に大きく貢献できるものと確信しております。


ここ数年の平滑筋学会の課題として、総会における臨床系の発表演題数の減少、会員数の伸び悩み、機関誌への投稿論文数の減少、などが取り上げられています。特に、若手会員数、および若手会員の発表演題の増加は、喫緊の課題だと認識しております。先代の柴田理事長を含む名誉理事長のご尽力により、若手の会の立ち上げなどを実現してきました。今後も若手の会員にとっても有意義な学会となるように努める所存です。


複数の臓器にまたがって基礎系・臨床系の研究者が議論を進められることは本学会の最大の特徴であり強みです。本学会がそのような場となっていくことを願ってやみませんし、私自身も努力して参りますので今後ともご指導賜りますようお願い申し上げます。


日本平滑筋学会 理事長 眞部 紀明
2023年9月27日


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